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竹富島雑感

竹富島喜宝院蒐集館館長 上勢頭芳徳
「星砂の島」第4号、第5号掲載

6人の新生児


 JTA(日本トランスオーシャン航空)の機内誌「コーラルウェイ」の若水号は、「島の暮らし」の特集。竹富島も8ぺージにわたって取り上げてくれた。伝統を守る島の暮らしということで、やはりキーワードは「うつぐみ」。
 道一つ隔てた御嶽のこんもりとした深い杜をバックに全校生徒31人の写真もさわやかだ。中学生へのインタビューでも、島の好きなところは海、砂の逆、学校、種子取祭、島全体が一つになっているという答え。いまどき、学校が好きという中学生が都市部でどれほどいるだろうか。

 ルポライターは、287分の1の快い重みといっているが、自分の存在感を認識できる誇りが、この島を好きと言わせているのだろう。島を守ってきた先輩たちの思いは、次の世代にも伝わっている。
 こんな島に昨年6人の赤ちゃんが誕生した。復帰っ子(本土復帰の年に生まれた子)の9人以来、26年ぶりの快挙だった。内盛美咲ちゃん、内盛実奈ちゃん、大浜煕人君、真喜志祐花ちゃん、吉沢乃愛ちゃん、前本とわちゃんの六人。女の子が5人というのもいい。すべて第一子なので次々の誕生を期待したい。

 育てるのはみんなで育てるから、産めるものはどんどん産め、とけしかけられている。子供を安心して産める地域はいい地域だ。安心・安全・平和というのが地域の原点のはずだから。
 このニュースは、「コーラルウェイ」だけではもったいないと、地元の新聞に送ったら正月にほぼ一面を使って大きく扱ってくれた。新聞社だって、汚職だの、公的資金だの、交通事故だのばかりでなく、明るいニュースを待っているのだ。

「琉球新報」1999年1月21日掲載

 

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