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A 竹富島ではかつて、ミンサーとは、「ミン=見る」「サー=サネサン(喜ばしい)の意、即ち「見て喜ばれる」といわれていましたが、これは単なる語呂合せに過ぎません。また、『沖縄大百科事典』でも、ミンサーについて述べていますが、その要旨は次のようなものです。
綿糸を藍などで染めて織った細帯のこと。八重山地方では婚約成立の記念に女性が男性に贈ったもの。従って絣の図柄には、四つ玉・五つ玉あり、「いつよ」までも末永くという願いが込められて、帯の両耳にはムカデの足に似たヤシラミ織りを配して、足繁くおいで下さいという意味の、通い婚時代を偲ばせる模様がある。
ミンサーは遠くアフガニスタンに源流をもつ小さな絣の帯が中国を経て伝来し、ミンは(綿)、サーは(狭)の意味である。
つまり、ミンサーの語源は、「綿で織った狭い帯である」というのが、『沖縄大百科事典』の説であります。
ところで、ミンサーは、中国を経て伝来したといわれていますが、ご当地・中国ではどのように解されているのでしょうか。中国語辞典には、「棉紗=棉花紡成的紗」と記しています。「棉紗」は、ミェンシャー」と読みます。従って、「ミンサー」は中国語の「ミェンシャー」が誰ったものであり、「綿狭」と解釈するのは妥当ではないと思われます。ちなみに、台湾でも綿製の布を「メンサー」といいます。
また、帯の両端のヤシラミ織りは、通い婚時代の夫に対して、「ムカデの足の如く足繁く通って下さい」という女性の思いが込められているという伝承が存在していることは間違いありませんが、当初からムカデの足をイメージして織ったものではありません。というのは、東南アジアなどでもよく見かける模様であり、台湾の原住民(アミ族)の里(烏来)の民族衣装などにもヤシラミ模様が見られるからです。
(玉城憲文)
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