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竹富島の昔話

 崎山毅『蟷螂の斧』より

ンブフル(牛岡)

 昔、大和の国から来られた新志花重成(アラシハナカサナリ)は、竹富島の南端のブサシというところに城を築いて住んでいました。しかし、付近は地形が悪くそのうえ飲料水にも困り、将来部落としての発展は望めないと思い村中に引越し、仲筋部落を立てました。

 重成は自分の見張台を築きたいと思い、良い場所を求めるため苦心していました。その頃、部下に牛を飼っていた男がいました。その牛がある晩屋敷から飛び出し、人の寝静まった夜中に角で土や石を振り上げ、夜明けまでに高い岡を作りました。牛はその岡の上に登って、ンブフ〜、ンブフ〜と大声を上げて鳴きました。

 その声を聞き、重成が家を出て牛の鳴いている所に行ってみると、平坦な土地が急に高くなり、立派な岡ができていました。重成は大変喜んでその牛に感謝し、牛の作り上げた岡を土台として堅固な岡を築きました。そして、岡の名前をンブフルと名付けたそうです。

 

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